スイングのトップから始まるパワーロスをなくせ

いつまでも若い頃のように、力押しで物事を進めることはできません。ゴルフも40歳、50歳、60歳と年齢を重ねていけば力も衰えてくるのは当然です。若い頃と比べてパワー不足を感じると、男の意地というべきか・・逆に力を振り絞って「これでもか!」と言わんばかりに渾身のフルスイングをしたくなる人もいるでしょう。

 

広大な敷地面積の打ちっぱなしに行くと、300ヤードほど距離があって、その辺りにもゴルフボールがいくつも落ちています。それを見ると「あんな所まで飛ばす人がいるんだ」とうらやましくなったりします。
また、そんな広い打ちっぱなしに限ってやって来るお客の中に飛ばし屋がいて、まるで飛距離自慢でもするかのように、すさまじいドライバーショットを披露していたりします。
そのような姿をちらりと横目で眺めながら「よし!あんな感じで打ってみよう」とまねをしたくなるものです。

 

しかし、考えてみると女子プロゴルファーのドライバーショットは250ヤードほど飛んでいます。
プロゴルファーだからそれくらいは当然とはいえ、女性の力でそれだけ飛ばしているのです。もしかすると、女子プロゴルファーは女性の中でも特別に力が強い人なのでしょうか。プロですからトレーニングによって並みの女性よりは強いかもしれませんが、それでも男性の力には及ばないはずです。
やはり、飛距離にはパワー以外の要素が多分にあると考えるほうが自然でしょう。

 

もし打ちっぱなしなどで他の人のスイングを参考にするならパワーヒッターではなく、「軽く振っているのにそこそこ飛んでいる人」を探してみるとよいでしょう。おそらく、そのような人に限って特徴のないスイングをしていると思います。軽くテイクバックしてスムーズにダウンスイング、特に何か工夫をしているわけでもなく、そんなにヘッドスピードが速いとも思えないスイングで、あえて特徴を挙げるなら「欠点がないこと」です。

 

欠点がないように見える第一のポイントは、スイングのトップからダウンスイングで、クラブや体に妙な動きがないことです。
とにかく思いっきりボールをひっぱたこうとして、ダウンスイングに入るときに頭からゴルフボールに突っ込んでいくような動きを見せる人もいます。また、より多く体をねじってスイングのトップをより高いところにもって行こうと、力でねじり上げるようなしぐさになっている人もいます。
そのようなスイングが、クラブヘッドの軌道を狂わせパワーロスを生む原因となっているのです。

 

クラブヘッドとグリップがともに、体の回転軸を中心にした円(スイング面)から反れないスイングが最もパワーロスのないスイングです。しかし、ともすればスイング面から反れてしまいがち。特に回転スピードがいったん停止するスイングのトップで反れやすいでしょう。
つまり、ダウンスイングの最初でパワーロスが生じて、力を入れている割には飛ばないという現象につながっているわけです。これは不自然な力の使い方をしているともいえます。

 

これを改善するには、次のようなトレーニング法をおすすめします。
軽くテイクバックして自然に止まる位置、そこをスイングのトップと決めます。これはいつもの半分ほどの高さ、キャリーで50ヤードほど飛ばすつもりで軽くテイクバックです。
そして、体のねじれが自然に戻る感覚に合わせてダウンスイングします。
これを繰り返して体感でしっかりと覚えます。しっかり覚えたら、だんだんテイクバックを大きくし、スイングのトップの位置を上げていく、つまり体のねじれを多くしていくわけです。
必ず「テイクバックして自然に止まる位置」「体のねじれが自然に戻る感覚でダウンスイング開始」この2点ができているかどうかチェックしてください。
これでハーフスイングからフルスイングまで無駄な力を使わずパワーロスのないスイングになります。

 

落ちてきた飛距離を伸ばすため、50歳からパワーヒッターを目指すというもの無理があります。パワーアップのために筋力トレーニングするのも効果はあるでしょうが、むしろパワーロスをなくす方向を目指してみませんか?
クラブやゴルフボールのテクノロジーは進んでいます。高反発 ゴルフドライバーなどの飛距離性能の高いドライバーも発売されています。飛ばしのパワーは高性能クラブに任せてゴルファーは無駄な力を使わない、それがシニアのゴルフプレーの秘訣ではないでしょうか。